【豊見城】サトウキビを染料に使った染織工芸、ウージ染めが誕生して
20年。開発当時からかかわり、協同組合発足後は理事長を務めた
真境名さん(59)の作品展が市豊崎の道の駅豊崎で開かれている。
豊見城・道の駅豊崎
真境名さんは「20年間続けてきた報告会のような展示会。
新参の工芸だが、色のきれいさなど可能性を探り、展示して見せたい」
と節目の個展の意義を語った。展示会は12月6日まで。
真境名さんは県工芸指導所で紅型を学んだ後、1989年に村(当時)商工会
の特産品開発の対象になったウージ染めに取り組み始めた。
94年に協同組合を設立。2003年優良県産品に選ばれ、07年には瀬長島に
常設の直売所「空の駅」をつくり、販路拡大にも取り組んだ。
今年3月まで組合長を務めた真境名さんだが、個展は初めて。「生活工芸
として使ってもらうもの」という考えで、作品性を追求してこなかった。組織
運営を後進に継いだことで、染めた生地に手書きの絵を描き込むなど創作の
発想を広げた。風に倒れても上に伸びていくサトウキビをイメージした作品は
生命力を感じさせる。
きんちゃくなど小物からタペストリー、着物など約40点を展示。会期中、展示物を
変えていくという。
「自然に近い色がきれいなことと、染料として確保しやすい」のがウージ染めの
魅力と真境名さん。「ウージ染めをイメージしたかりゆしウエアを着用するなど、
行政の応援がずっと続いてきた。オリジナルのデザイン力がついてきたので、
さらに可能性を探っていきたい」と決意を新たにした。